少子高齢化社会が加速する中、自分で資産を増やしておく必要があるのではと危機感を抱いている方も多いでしょう。
それをきっかけとして株式投資に興味を持つ方も増えています。
今回は、とくに株式の初心者にはとくにおすすめの「ディフェンシブ銘柄」について、丁寧に解説していきたいと思います。
参考メディア:
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「ディフェンシブ(defensive)」とは「防御的な」という意味を表す英単語です。
いわゆる「ディフェンシブ銘柄」とは、景気動向に業績が左右されにくい株式の銘柄を指します。
為替変動、原油などの資源価格、世界経済(中国経済も含む)といった外部の環境により、景気の動向は大きく変化するものです。
この景気動向に大きく影響を受けるものの1つに「株価」があります。
ところが、たくさんの株式銘柄の中でもディフェンシブ銘柄は一般的に「不況に強い」といわれています。
では、なぜディフェンシブ銘柄の値下がり率は低いのでしょうか?
ディフェンシブ銘柄は、生活必需品である食料品や医薬品、社会インフラである電力・ガス、鉄道、通信など、どんな不況下でも多くの人が必要とするものを扱っている業種に限られています。
そのため、不況や日経平均株価の下落が続くといった景気後退期や景気停滞期にも、その株価は値下がり率が低いという傾向にあるのです。
「ディフェンシブ・ストック」「内需株」とも呼ばれることがあるディフェンシブ銘柄ですが、これとは逆に景気によって業績が左右されやすい「シクリカル銘柄」というものもあります。
こちらは自動車製造業といった好景気で売り上げが上昇するような業種があてはまり、「景気敏感株」とも呼ばれています。
ディフェンシブ銘柄と呼ばれる業種には、電気・ガス、陸運、通信、食料品、医薬品などが挙げられます。
業種別にいくつか銘柄をご紹介していきましょう。
業種 | 銘柄 |
電気・ガス | 関西電力<9503>中部電力<9502>九州電力<9508>
東京ガス<9531>東邦ガス<9533>西部ガス<9536> |
陸運 | 東海旅客鉄道<9022>東日本旅客鉄道<9020>
西日本旅客鉄道<9308>京王電鉄<9008> |
通信 | 光通信<9435>日本電信電話<9432>
ソフトバンクグループ<9984>LINE<3938> |
食料品 | 日清食品ホールディングス<2897>伊藤園<2593>
明治ホールディングス<2269>ヤクルト本社<2267> |
医薬品 | 日本新薬<4516>中外製薬<4519>
大正製薬ホールディングス<4581>第一三共<4568> |
ディフェンシブ銘柄には、マザーズ、JASDAQなどに上場しているベンチャー企業の株式も多く含まれています。
これらは東証一部上場企業とは異なり「新興銘柄」と呼ばれ、値動きが大きいのが特徴です。
ディフェンシブ銘柄を購入する場合は新興銘柄ではなく、安定性の高い東証一部上場の銘柄を選ぶようにしましょう。
値下がり率が低いという特徴を持つディフェンシブ銘柄には、もう1つ大きなメリットがあります。
それは、おおむね配当利回りが高いこと。
つまり、株式の購入価格に対して1年間の配当リターンが高いのです。
実際、ディフェンシブ銘柄に含まれる企業のうち、とくに社会的に需要の高い鉄道会社、電力・ガス会社などにおいて、高配当であることは事実です。
安定した利益を得ることで企業は成長し、やがて大企業となり成熟期に入ります。
企業としての伸びしろが頭打ちとなると、高い成長率の維持は難しいと判断し、結果として利益の一部が株主への配当として還元されることになります。
この積極的な株主配当の傾向が、「ディフェンシブ銘柄は高配当である」というイメージへとつながっているわけですね。
株式投資では配当のほかに、キャピタルゲインで得る利益もあります。
キャピタルゲインとは、購入時よりも高い株価で売ることで差額分の利益を得ることです。
不況にも強く、高配当であることが多いなど、たくさんのメリットを持つディフェンシブ銘柄ですが、株価の急激な変動がないために、このキャピタルゲインによる利益はそれほど望めないでしょう。
生活に欠かせないものを提供する企業の株価は、その安定性が逆にキャピタルゲインを獲得しにくいというデメリットにもなってしまうのです。
ディフェンシブ銘柄は、株価の変動により短期間で売り買いすることで利益を得たいという人には向いていないといえます。
安定性に期待し、長い目で高配当を望むことができる銘柄です。
アメリカによる中国をはじめとする他国への経済牽制、香港におけるデモなど、景気動向が大きく変化し続ける昨今、株式市場にもどんな変化がもたらされるのかという不穏な雰囲気が漂っています。
このような状況下で、数多くのディフェンシブ銘柄の中でも将来性や安定性の高い銘柄を選ぶにはどうしたらよいのでしょうか。
こちらでは代表的な2つの方法をご紹介します。
株式における「ベータ値」とは、日経平均株価などを参考にした株価指数と、個別銘柄の値動きの大きさを比べたものです。
ディフェンシブ銘柄では値動きよりも株価指数の方が大きい傾向にあります。
そこで、ベータ値1を基準として、以下のように単純にディフェンシブ銘柄を探すことが可能です。
ベータ値が1ぴったりな場合は、日経平均株価の動きと同じように個別銘柄の株価も変動します。
ベータ値が1よりも小さくなればなるほど(0以上)儲けは少なくなりますが、下落時にも深刻な損をすることも少ないといえるでしょう。
現在のベータ値は過去の値動きにより計算されたものです。
将来の値動きを保証するものではありませんが安定性は高いですので、おおよその目安として参考にすることは可能です。
このベータ値の計算は素人にはとても難しいですので、株式投資の初心者は以下の方法で探してみてください。
実は、ディフェンシブ銘柄を特集しているサイトがあります。
有料のところもあれば、無料で利用できるサイトもあり、情報量や精度などの違いがあるようですが、まずは無料のところで勉強してみてはいかがでしょうか?
業種別の検索機能を使えば、気になる銘柄も気軽にチェックできます。
初めて株式投資にチャレンジする場合は、景気動向の変化に左右されにくいディフェンシブ銘柄であれば不安が少ないでしょう。
株式投資は希望とともに常にリスクも抱えていることを忘れないようにしてください。
ディフェンシブ銘柄を集めた無料サイトで勉強しつつ、自己資金で無理なく購入できる銘柄にすることがポイントです。